今年も例年通り周南市は「中心市街地活性化」事業を展開しています。まったく「10年1日の如し」という言葉があるように、前世紀から徳山駅前「中心市街地活性化事業」は延々と続けられているのには驚きます。
いったい中心市街地にどれほどの市費を投じて、何年かければ効果が上がるのでしょうか。そしてそれはいかなる指標で測定するのか、といった具体的な事業評価基準もなく、ダラダラと世紀を跨いで続けられてきたことに市当局からはもとより市民からも疑問が呈されないことは驚きというより奇跡ではないでしょうか。これが民間企業の事業なら費用対効果評価はもとより、事業評価委員会を設置して「効果が上がらなかった問題点」を徹底的に分析して、次の「活性化事業」で同じ轍を踏まないように計画を策定するのではないでしょうか。
日本全国で実施されてきた700件近い中心市街地活性化事業の「成功例」を検証して、徳山駅前「中心市街地活性化事業」がなぜ芽吹かないのかを比較検証しているのでしょうか。全国で実施された中心市街地活性化事業の数少ない成功例としては全国商店街振興組合連合会がネットに「地域商店街活性化事業成果事例集 平成28年度版」(https://www.syoutengai.or.jp/jirei/h28/h28_jireishu.pdf)を掲載していますので、ぜひご参考にされればと思います。
僭越ながら、中心市街地の活性化を「事業」として行うには、まず「活性化とは何か」を定義しておかなければならないと思います。周南市は駅前活性化としてツタヤ図書館を莫大な経費を投じて建設し、毎年1憶5千万円もの「指定管理者費」を支出していますが、それが中心市街地活性化事業の一環として成功したのか失敗したのか評価の分れるところです。成功とする人は「ツタヤ図書館に年間200万人近い来館者がある」としていますが、失敗だとする人は「1憶5千万円も指定管理費を投じている見返りとして中心市街地の売上総額が増えていない」と、投資対効果が極めて乏しいとする意見があります。
こうした事からもお分かりのように、何らかの事業を実施する前には、何を以て成功とするのかを明確にしておく必要があります。ツタヤ図書館がにぎわっているというのも、そもそも徳山駅は年間240万人もの利用者があるわけですから、駅ビルのツタヤ図書館に来館者があったとして「それがどうした」という意見もあります。従来の中心市街地での買物客にもまして、ツタヤ図書館が呼び込んだ来館者が中心市街地の新規買物客として総売り上げに貢献しているのかが判りません。
毎年営々と30年近く中心市街地活性化事業を続けている間にも、徳山駅前周辺は寂れるばかりです。そして今年も巨額の中心市街地活性化事業関連予算が投じられようとしています。