古民家ブームの落とし穴

 思いもよらない田舎の古民家の引き合いがあって驚くことがあります。都市部から移住する人が古民家を買い求める人のようで、それはそれで不動産業者にとって有難いことですが、一抹の不安を覚えるのも確かです。
 昨今のコロナ禍から「テレ○○」が流行りのようですし、タレントが電動鋸や様々な道具を使って家をリフォームするテレビ番組の影響なのか、大胆なリフォームを自らが行う、という計画の人もいるようですが。多くは知り合いに紹介して頂いた業者にリフォームを委託して、完成後に移住して来るケースが多いようです。
 この場合、老婆心ながら何点か注意点を上げておこうと思います。
 まず第一に、大規模な改修には建築確認の届けが必要になる、ということです。建築の専門家に助言を求めるのが最も良いのですが、自分で勝手にやるの是非とも避けて欲しいものです。建築基準法以前の建物の場合と、それ以後の建物とでは扱いが異なりますし、それ以外にも古民家には「接道義務」を満たしていないものもあって、建築確認の申請が出来ないものもあります。
 そして建築業者にも建設業許可を受けていない業者もあることから、そうした建設許可業者かを確認する必要もあります。非許可業者の場合は500万円を超える工事を請け負うことは出来ませんし、素人同然の建設工事をされて、後々トラブルにもなりかねません。
 さらにハザードマップの確認をしないと、再建築不可能な古民家を購入しかねません。不動産業者が仲介する場合は重説で告知義務があるため心配ありませんが、知り合いから購入したとか、ネット情報で購入する場合には自分で調べるしかありません。くれぐれも古民家購入に際しては不動産業者を通し、リフォーム前提ならしっかりと建設業者を吟味してから始められることをお忘れなく。

2020年12月02日